tomotake kinoshita old journals

 

2009-06 journals

ザ・ファイナル・カーテン・コール
2009-6-30(Mardi)
マイケル・キートンの映画「バットマン」をみたのは映画館なんだけど、ジャック・ニコルソンが扮したジョーカーは強酸で白く歪んでしまった顔をみて「これが俺の顔か」と鏡を見て言っていたのを強烈におぼえている。作者はユーゴーの小説『笑う男』からヒントを得ている。



それは日本でいえば、口さけ女のように耳まで近い位置まである口。『千と千尋の神隠し』でカオナシがカパッとあける口もまたそう。それらはアナモルフォーズ、遠近法を使ったゆがみのなかでの出来事のようだ。マイケル・ジャクソンの横に広げられた笑みをみるとふっとそんなことを思う。CNNでは訃報が流れてすぐ、詳細なタイムラインが流れており、マイケルのこれまでを振り返ることができていた。仕事があまりにも速い。マイケルの人生をCNNで追認してみると、だんだん肌が白くなり、表情が変貌するようなアナモルフォーズがみえ、それは『AKIRA』の鉄雄を彷彿させた。大量の薬ともう自分でもどうしようもない、というような感覚が。
ロンドンのO2スタジアムでのコンサートを"This is the final curtain call."と言っていたが、長くないと自覚していたのだろうか。
マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカーというゲームがあるのだけど、マイケルがムーンウォークしたり帽子を飛ばしたりして敵を倒す技がある。ひそかに好きなゲームだが、なんだか距離が遠のいてしまった気分がする。

2009年 6月 30日(火) 21時16分01秒
己丑の年 水無月 三十日 丙午の日
亥の刻 一つ

東多西少
2009-6-22(Lundi)
今年の梅雨は東多西少らしい。大分では水不足というニュースをみたが、関東はくすんだ天気が続いている。

最近、東京都現代美術館で池田亮司展をみる。最初の視覚的なところで様々なデータを可視化し、巨大な映像としてみせているあたりはインパクトがあるのだが、しかしだんだん巨大な空間をもてあましてくるような感じだった。池田は本気を出しているのだろうか。これでは、宮島達男をヴァージョンアップしたような感じがするだけで、もっと何かができるはずなのではないか。
むしろ常設展示にあった
http://www.mot-art-museum.jp/collection/index.html

オスジェメオス《ライフがフォームになるとき》2008
名和晃平《PixCell-Deer#17》2008-2009

のほうがもっと見たい作品ではあった。オスジェメオスのは、古賀春江のようだね(女性の名前みたいだけど、男性)。古賀をみせると面白がってくれるのではないかとおもうが、もうきっと誰かが見せているだろう。

2009年 6月 22日(月) 19時41分20秒
己丑の年 水無月 二十二日 戊戌の日
戌の刻 二つ

パレットナイフに焔をのせて
2009-6-9(Mardi)
ひさしぶりに展覧会へ。
中村正義の美術館で中村の未出品作の自画像をみる。パレットナイフで細く、赤と黄色をメインに焔のように自分の顔を構成しているものがとりわけよかった。館長ののりこさんによれば、着物の襟で中村本人だとわかるとのことだった。
中村が写楽にはまっていたことはしられるが、当時の写真も展示されていた。写楽の墓を観察する中村。池田満寿夫も写楽に関する本『これが写楽だ』を出していることを知る。

クライン・ダイサム・アーキテクツの展示会にも顔を出す。前から行こうと思っていたが、終了間際ぎりぎりに顔を出す。「入口」の矢印をネオンにしたものに店名ならぬ建築写真を配置するというもの。このネオンをセレクトしたあたりが彼ららしい。
itouchを使った建築写真集もいいけれど、ソファがあまりよくなかった。体がねじれる形になっているので苦しくなる。

見たい展覧会がまだある。太田記念美術館の月岡芳年展や損保ジャパンの岸田劉生展、出光のやまと絵展とか。鎌倉の坂倉準三展ももちろん。

フランスからお客様がみえられ、新宿を案内する。レストランでもりあがったのは、日本の女性はどうしてスカートが短いのかという話題。スカートが短いことにあまりいい反応を示していなかった。

Apple、新しいパソコンを出したね。今回のMacbookは13インチでFWを復活させたのでいいとおもう。大きなデータを扱うユーザーとしては良いが、SDスロットをつけたのはなんだかAppleらしくない。


2009年 6月 09日(火) 20時31分34秒
己丑の年 水無月 九日 乙酉の日
戌の刻 四つ

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