tomotake kinoshita old journals

 

2012-07 journals

言葉を信じる
2012-7-21(Samedi)


ハードディスクのなかを整理。
だいぶ前になるけれど、『建築・都市ブックガイド21世紀』で推理小説について書かせていただいたときの原稿のスキャン。校了ではなく、途中のもの。
http://www.amazon.co.jp/dp/4395241093

原稿の実物はもうないと思う。赤を入れているのがわたし。黒を入れているのが編集者の神中智子さん。
これは推理小説と建築について示唆を与える原稿が欲しいという依頼が五十嵐太郎先生よりあって、まとめさせてもらったと覚えている。推理小説と建築というと、レ・ファニュの本が白眉だと思うが、佐藤春夫を外すことはできない。たしか、これは植草甚一も絶賛していたと思う。
こうしてみると、こうして何度も何度も同じ反復運動をしているんだな。常に進み、戻って・・・。おのれの言葉を信じながらやっていることで、これは総てにおいていえることだと思う。

2012年 7月 21日(土) 20時18分35秒
壬辰の年(閏年) 文月 二十一日 癸未の日
戌の刻 三つ

自分であり、自分でない。
2012-7-19(Jeudi)


少し前のこと。花が重なってしまったが、鏡の前でセルフ・ポートレートをとった。場所はベーリック・ホールの二階にある会議室だったと思う。
鏡に映った自分の顔を撮影してみると、もうすでにそれは自分ではないかもしれない。ライプニッツが「われわれの内には、意識表象も反省もされていない無数の表象が絶えずあり、それは魂そのものの内にある、われわれが意識表象していない諸変化である。」(『人間知性新論』)と書いているのをのばして考えてみれば、このときのわたしの意識はもうどこにも存在していないからだ。とはいえ、この写真が残り続けるかぎり、わたしの意識の表面はそこに留まっているのだろう。


2012年 7月 19日(木) 23時46分11秒
壬辰の年(閏年) 文月 十九日 辛巳の日
子の刻 二つ

「私は今、街の雑踏の中を原つぱを歩くような気持ちで歩いてゐる」
2012-7-18(Mercredi)


見なければならないと思っていた松本竣介展に足を運ぶ。
松本の絵は何度もみていたのだけど、こんなにまとまった形で見るのは初めて。

最初の部屋に入ると「私は今、街の雑踏の中を原つぱを歩くような気持ちで歩いてゐる」という幟があったんだけど、ハッとした。これは耳が聞こえない身体だとよく感じられるように思える。

一言でいえば、スルリと、ザラリとするような絵だよね。
カタログをもっと読み込んでみなければならない。

それにしても、松本竣介夫人の禎子さんが去年に亡くなられたことは本当に、本当に残念。いつか松本の耳についてお話を聞いてみたかったのに・・・。
一生、わたしはこのことを悔やむだろう。

2012年 7月 18日(水) 22時15分10秒
壬辰の年(閏年) 文月 十八日 庚辰の日
亥の刻 三つ

手作業とコンピュータ
2012-7-17(Mardi)


ギャラリー間にてスタジオ・ムンバイの展覧会「プラクシス」をみる。
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex120712/index.htm
建築のあいだでは評価がうなぎのぼりで、ここ数年、注目されている建築ユニット。南国風のインテリアのようにみえるけれども、そうではない。手作業とコンピュータグラフィックスを融合させた設計を展開している。天井を走る金属の桟ともマッチしているようにみえるのは、色合いもあるかもしれないし、木の上にのびるという形態を横にしていることと融和しているからなのだろう。
これは国立新美術館の「具体」展とあわせて見て欲しい。

2012年 7月 17日(火) 22時58分17秒
壬辰の年(閏年) 文月 十七日 己卯の日
亥の刻 四つ

ピラミッド・コラージュ
2012-7-15(Dimanche)


森美術館のアラブ・エクスプレス展に。お祭りモード。
ピラミッドが登場するエジプト映画をコラージュした、マハ・マームーン(1972-)「ドメスティック・ツーリズムU」にとても惹かれた。

クリスチャン・マークレーの「The Clock」がワールドワイド、世界中の映画における時のシーンを集めているけれど、これはある特定の地点が登場するシーンだけを集めている。前者が拡散的なのに対して、こちらは収斂している。

ピラミッドという存在は建築というより、記号であると五十嵐太郎さんが仰っていたけど、この映像はエジプト映画におけるピラミッドであり、いわば、自国民によるピラミッドによる眼差しになっている。これをみると、やっぱり記号のようにみえてしまうのはそれほどピラミッドという存在感があまりにもわたしにとって強烈だからなのかもしれない。もう少しこの映像をよくみてみたい。

作者のマハ・マームーンはアメリカ生まれらしい、だからこそこの映像がつくれたのかもしれない。


2012年 7月 15日(日) 23時02分51秒
壬辰の年(閏年) 文月 十五日 丁丑の日
子の刻 一つ

フェンスと花
2012-7-14(Samedi)


少し色あせているのもあるが、紫陽花がフェンスの向こうにある。おそらく、放置されているのだろう。フェンスの手前はアスファルトで舗装されていて、向こうはそうなっていない。フェンスは土地と土地の境界にすぎないが、自然と人工を分けてしまってもいる。

2012年 7月 14日(土) 22時50分49秒
壬辰の年(閏年) 文月 十四日 丙子の日
亥の刻 四つ

女はガラスのなかにいる
2012-7-12(Jeudi)


ガラスに閉じ込められた女。
彼女はなかから外をじっと見つめている・・・。誰が救う(買う)のか。

2012年 7月 12日(木) 21時59分39秒
壬辰の年(閏年) 文月 十二日 甲戌の日
亥の刻 二つ

ひととひと
2012-7-10(Mardi)


2012年 7月 11日(水) 00時18分32秒
壬辰の年(閏年) 文月 十一日 癸酉の日
子の刻 三つ

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