長崎、宇和島、松山と調査が続いていたので、息抜きをしたく、道後温泉本館に。松山では有名な観光地でまあベタなところだが一度見ておきたかった。
せっかくなので霊の湯 二階席をとって入浴する。今回の史料調査にあたって楽なことは一度もなかった。それにかつての盲人や聾者が置かれていた社会状況。それを考えると耳が聞こえない身体をもって生まれてくるべきではなかったかもしれない。生まれ変われるなら、耳の聞こえる人として人生を送ってみたい。聞こえないということが、わたしの身体に重くのしかかっている。
そんなことを考えていると、ドアが開いて3人の男性が入ってくる。ひとりがシャワーを浴びていて、お湯がわたしにかかったので手話で謝ってこられたので手話で応じると会話がはじまる。みなさん70代から80代の方で、旭川から観光でいらしたとのこと。昔のことなど、しばし歓談をする。かれらの笑顔をみていると、なんというタイミングであろうか、まるでわたしが先ほど考えていたようなことが否定される時間が訪れているようであった。
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