20220116

1月16日。今週の疲れが出たのか8時間も寝てしまう。目覚めてコーヒーを淹れる。普段は豆から挽いているが、ホテルのためスーパーに売っているドリップパックコーヒーを開ける、なかなか美味しい。サラダとパンを食べ、荷物をフロントに預けたのち、バスに乗ろうと道に出る。この瞬間、自分がどこにいるのか自覚する。ホテルのなかではなく、街路に出たときに自覚するのは、ホテルが場所性を持っていないからだろうか。ここが京都である、ということを示すものが何もなく、匿名の感じがする。日曜日だからゆっくりしたいところであるが、京都新聞に掲載しているAlong the Waysideの原稿を書かないといけないので岡崎に向かう。下車してすぐに京セラ美術館で加納俊輔の個展と、コレクション展を見たのち、向かいの府立図書館にて明治期京都の代表的な新聞のマイクロリールをリクエストして、マイクロリーダーを回しながら確認していく(近くの京都国立近代美術館での上野リチ展は、金曜日の夜間開館のときに見ていた)。マイクロフィルムはフィルムをトイレットペーパーのように長く巻いていて、それを解くと撮影されている画像を見ることができるのだが、そのためにはマイクロリーダーが必要。これは手回しと機械で回すタイプがあって、ここにあるのは機械。ジョグを回せば高速でマイクロを回せるぶん、細かく動かすことができない。手回し式が自転車とすれば、これは車に乗っているような感覚に近いかもしれない。ジョグを回しながら、回るマイクロのスピード感を掴んで機械と身体をフィットさせる必要がある。周りは市民の方々であろう、のどかな姿勢で新聞を読んでいる人たちに囲まれながら、わたしはマイクロリーダーの画面越しに明治の京都を流れていた時間とともに過ごしていた。


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