2月18日。仕事の帰り道にスーパーでいちごを買った。通っているスーパーはレジ打ちに若い人もいれば、明らかに定年後の方もいる。後ろを見やると、疲れた顔でレジを待っている行列がある。レジを通しているあいだに、モゴモゴとマスクに覆われた口が動けば、わたしはポイントカードを差し出して、トレーに置く。行列を一瞥して、耳が聞こえないですと伝えるかどうか迷う。機械に通されたポイントカードを財布におさめる。意思疎通ができなかったら耳が聞こえないと伝えよう。わたしのカゴが空になると、またかのマスクが動く。支払方法を尋ねているのだと推測して、カードを示す。またマスクが動く。一括かどうかを尋ねているのだと考えて、「はい」と答えると正解ですと言わんばかりにわたしはレジを通ることができる。そのレジ打ちはわたしがろう者ということにおそらく気づいていないだろう。多くの身体障害者はいかにして「ふつう」に溶け込めるかということを教えられていて、障害を気付かせないことが善いことだと考えられている時代はまだ続いている。マスクだらけの社会になって気づくことだ。
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