20220423

4月23日。気温が25度と春の終わりころのさわやかな風をスキップするように真夏がひたひたと近づいている日。上野の東京藝術大学まで講座を受講。そこでは、オーシル・カンスタ・ヨンセンによる絵本『キュッパのはくぶつかん』に基づくワークショップを受講したのだが、たいへん学びのある内容だった。上野公園まで出かけて自然のものを収集するものだ。「みる」「あつめる」「ならべる」のプロセスを経て、美術館の機能を理解する内容である(とわたしは理解した)。まず、公園を歩き回ってどんなものがあるのか、よくみる。石ころ、陶器の破片、落ち葉、木片、枝などがある。それらは大きさ、色、形状、重さを異にしている。それは知覚が行為によって肌理を変容させるというものだっただろうと思う。たとえば、何かを見るということは屈んで顔を地上に近づけたり、手にとってみないとわからないことだ。そうして集められたものをまずA3の紙に配置したのち、そこから選択して木箱のなかで整えてみて、物語をつくるように展覧会のタイトルと解説を書いてみる。集められたものからさらに圧搾していく過程は、自分の視点をより明瞭に浮かび上がらせる。わたしは野口英世像の周囲で集めたこともあり、「野口英世のなかまたち」というタイトルで構成したのだった。


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