レオナルド「最後の晩餐」のオートマトン

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レオナルドの「最後の晩餐」をオートマトン(自動人形)としたもの。Henry Phaliboisに帰属、1890年代ではないかというもの。これはいいね!
ちなみに動画もあり、こちらで見られる。
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カメラを使わずに風景を撮る

Velodyne LIDARというものを使っている。レーザーを照射してその反射で周囲を形成するというものでコウモリやイルカがやっている方法に近い。

道路に建築を挟む、道路から建築を切り取る

スゥ・ドーホーの”Bridging Home”(2010)という作品。 この人はメゾンエルメスや東京都現代美術館で展覧会をしたことがあるので、国内でも知名度があるアーティスト。でもこの作品ははじめて。これをみたとき、青井哲人さんの『彰化 一九〇六年  市区改正が都市を動かす』を思い出した。彰化(チャンホワ)は台湾の中部にある小さな古い街で、訪問したことがあります。

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美術品を壊すジョーカー

「バットマン」(1989)を見たことがあるけれど、このシーンはすっかり忘れていた。ジョーカーらが美術品を傷つけていくシーン。よくみれば、レンブラントやドガじゃん・・・。

様々な形の手

Evelyn Mary Dunbar (1906–1960)
A 1944 Pastoral Land: Girls Pruning at East Malling

初めて見た。切り取られた手によるワーク、静物、枝の手入れをする人々。遠近法が極端だね、こないだ東京国立近代美術館でみた原弘展にあったFRONTみたい。

(展覧会)ビザンチウムとイスラム美術

Pillars from the Church of Saint Polyeuktos,
Constantinople, now in the Piazzetta di San Marco, Venice. Photograph by spoliast

メトロポリタンにて開催されている 「ビザンチウムとイスラム美術」は面白そう。公式ブログをみると情報量があってよい。

写真はヴェネツィアのサン・マルコ広場の「ピラストリ・アクリタニ」だね。第四次十字軍によってヴェネツィアまで運ばれたコンスタンチノープルの中心にあった教会、アオギス・ポリエウクトス(Saint Polyeuktos)の柱。ユスティニアヌス帝の娘、アニキア・ユリアナによって524-527年頃に建てられた教会だと教えられた。でも、この教会はすでに失われてしまっていて、全貌がわからない。もし何かの史料よりわかったらば、それはそれはすごい論文になると思う。しかしこのような意匠の柱がいくつも並んでいるところに出たらば、どこを見るべきか眩暈がするかもしれない。

source: http://www.metmuseum.org/en/exhibitions/listings/2012/byzantium-and-islam

「リアル」と「現実」の違い

御徒町の3331にて。ここは、天内大樹さんと訪問したことがある。天内さんと話していると、自分が思っていないことまで話してしまうのだから、ある意味危ないのかもしれない。

それはともかく、ここを訪問したのは、大友克洋GENGA展をみるためだった。かの『AKIRA』はワイヤーが張られた段のガラスケースに原画を載せていて、原画が浮いているかのような構成。
原画はほとんどA4で、見開きはA3横で描かれている。アキラは夢中になって読んだ漫画で、子供のころだったんだよね。クスッと笑ってしまうようなシーンもあるけれど、人が撃たれて死ぬシーンなんか、不条理というものを実感した強い思い出がある。

その原画をみたとき、はじめてアキラを見たという気持ちになった。漫画で読んで内容を知っていたことがふきとんだ感覚。ひとこま、ひとこま、世界がそこにある。絵画をみるとき、たとえばレオナルドのモナリザはたくさんの美術本に載っているけれども、実物をみると・・・というじゃない。でも、そういうオリジナリティがもつアウラともまた違うものだった。

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フィリッポ・リッピの天使

ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵。一目してギョッとした。これはわたしが今行っている研究において重要だという直感。

 

 

マレーと血みどろのトランク

わたしはブリュッセルで一枚の絵をみた。ダヴィッドの「マレーの暗殺」(”Marat assassiné”1793 , 165 x 128 cm , ベルギー王立美術館)という絵。美術史では有名な絵で、見たいとおもっていたものだ。

マレーが入浴中に暗殺されたシーンであるけれども、湯船にある暗い血の色をなぜかよく覚えていて。

そう、こんな色だった。それで、来年6月の第55回ヴェネツィア・ビエンナーレの作家に選出された、田中功起さん。わたしが田中さんを知ったきっかけは、「六本木クロッシング」(2004、森美術館)に出ていた「トランクと血と光」という作品だった。これが強烈だったんだよね。

これは確か、部屋の隅っこにプロジェクションされていて、入口に「気分が悪くなる恐れがありますので、ご注意ください」のような注意書きの看板がかけられていたのを覚えている。

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セーヌ河のほとりで帽子をかぶる人

ジョルジュ・スーラ《アニエールの水浴》(”Bathers at Asnières” 1884, ナショナルギャラリー, ロンドン)
セーヌ河で水浴をする人たちと河畔にくつろぐ人たち、そのなかでひとりだけ雰囲気が違う人がいる。男の人だろうか?それとも肌や指の形からして女の人なのだろうか?でも、男の人だろうか。この人は何を考えているのだろう・・・。

帽子をかぶる人。

わたしにはその人の表情がよくみえない・・・。口元が奥にある花と草と混じりかけていて表情すら曖昧だ。

source: http://www.nationalgallery.org.uk/content/conobject/313

光のなかにいる鳩

1629年、バルトロミュース・W・ドレンドによる銅版より。マリアの頭上に現れる、光に包まれた鳩。太陽に包まれたかのようなデザインがされる。

こうしてみると、光源に近いニードルの動きは一定したラインが外にむけて動いている。そして、外になるにつれて、乱れはじめ、空白が生まれる。それはウニのトゲのようだよね。その周囲には網型の身ぶりを伴ったニードルの動きがあってメリハリがある。

source: http://www.rijksmuseum.nl/collectie/RP-P-OB-67.618/uitstorting-van-de-heilige-geest

書籍のカバー画像

水野千依さんに質問も添えて感想をメールしたところ、とても丁寧に応対してくださった。緻密な思考だけでなく、それを裏付けるかのような熱意と行動力をもった方だと感じている。

絵をよむ言葉 ―美術批評家 坂崎坦・坂崎乙郎のあつめた絵画

早稲田大学会津八一記念館にて。
http://www.waseda.jp/aizu/2012/2012%20exhibition/kikaku2012-sakazaki.htm

●会期:2012年5月21日(月)~7月7日(土)
●開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
●休館日:日曜、祝日
●入場料:無料

鴨居玲の絵があるんだな。

英語字幕あり。