台湾歴史博物館の常設展示

台湾歴史博物館の常設展示。特徴的なのは、ジオラマが多いことであろうか。説明というよりも体験的な内容。そのジオラマにおいて観覧者とのあいだに仕切りや高さのコントロールを最小限におさえていて、空間として一体性が強いように思われる。鹿港のジオラマや植民地時代の日本人のイメージ、原住民に銃をかまえる日本軍。台湾人の出征など。

 

島嶼‧地動‧重生:921地震十五周年特展

去年12月、台湾歴史博物館で1999年9月21日の震災をテーマにした展覧会「島嶼‧地動‧重生:921地震十五周年特展」をみた。あの震災から15年が経過したことで、現在はどのようになったのか、当時の映像や救助状況、遺族の写真、建築の破壊状況を平衡感覚を狂わせるようなスライドとともに展示するという内容。被災された方々が現在どうしているのかというモノクロの写真群がもっとも記憶に刻まれる。

來自四方:近代臺灣移民的故事特展

去年12月、台南の国立台湾歴史博物館で移民をテーマにした「來自四方:近代臺灣移民的故事特展」という、近代から現代台湾における移民についてフォーカスをあてた展覧会の写真です。撮影自由でした。
渡航証や戸籍などプライベート性が高い史料が多く使われている。日本ではなかなか難しいテーマ。

冒頭の女の子の写真。史料をよむと、おさげの少女が廈門から台湾の新竹に向かおうとする史料。親に会うために。船で台湾に向かう少女と、ガラスに映り込んだカメラを構えるわたしの姿が交錯している。

小田原駅の鉄橋で

下りで小田原駅に向かうとき、駅の直前の鉄橋で止まってしまったので写真をとる。鉄の重なり。一番上のまんなかの写真は重力感がいくぶんか消えている。

大乗寺の儚さ

愛知県立美術館にて「円山応挙展―江戸時代絵画 真の実力者―」が始まりました(2013年3月1日―4月14日)。

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2012年9月21日15時50〜53分

2012年9月21日15時50分から53分のあいだに撮影した、夕立後の国立西洋美術館の中庭。

まだほんのりと暑い季節で、雨水がすうっと上にのぼっていくところなのだろう。しかしその様子を目で認めることはできない。結局、わたしたちの視覚はその程度にすぎないということを講義で話したことを思い出す。

それにしても、どうして夕立のあとの太陽はこんなにも優しく感じるのだろう。

 

歩き去る猫

犬島に行ったときに出会った白と黒のまだら模様の猫。野良猫ではなく、飼い猫だと思う。この猫については旧サイトで犬島の製錬所について書いたときにあわせて動画を公開したことがあった。

「にゃあ」と声をかけたら振り返ってくれたけど、「なんだ・・・」という顔をされてそのままスタスタと歩き去る。そうされるとついかまってしまうわたしはあまりいい性格ではないのかもしれない。

連写モードで撮影していて、それをスライドショーにすれば動いているようにみえるのだけど、どうしてそう見えるのか、それを仮現運動というのだが、解説しているところの紹介を高橋啓次郎さんのサイトでしている。わたしの好きなサイトのひとつ。

わたしが住んでいる家の向かいには猫がいたのだけど、最近見かけない。どうしたのだろう。室内で飼われているのだろうか。それともどこかに移ってしまっただろうか。

2012年 8月 06日(月) 22時02分30秒
壬辰の年(閏年) 葉月 六日 己亥の日
亥の刻 三つ

夜に包まれる絵画

今年、絵金が生まれて200年目ということをニュースで知った。絵金といえば、高知の赤岡町に絵金蔵という、絵金のコレクションでは日本一の美術館がある。それで赤岡には毎年7月に絵金祭というのが開催されていて、いつか訪問したいと前から思っていて、去年訪問を果たしている。

そのときの写真なんだけど、18時から21時前までこの祭りにいたことを覚えている。18時前はまだ明るくて、お祭りもまだこれからって感じになっている。しかお祭りがはじまって絵金の屏風が出てくると一気に賑やかになってくるのが感じられるのがとても面白かった。絵金がもっている、あの不条理で、血にまみれた世界が屏風の向こうにあってそれらを見世物のように見ているのがなんとも、絵のなかと外を曖昧にしているような感触があった。絵について語り合ったり。町の人が絵について説明しているのもおもしろい。

ふっと思うのは、絵画ってほんとうはこういうものだったと思う。本来は美術館に入っていて、ガラスに包まれてきれいに保護されているけれども、ここで出されているのは学芸員ではない、赤岡のひとたちの手によって守られているものなのだよね。ダイレクトに絵そのものがわたしの目の前にある。

それにしても暗くなるにつれて、蝋燭に灯された絵金の屏風がいよいよ怪しさを増してくるのには驚いた。ゆらゆら揺れるのは怖いし、ホラーと言えばホラーといえるのだけど、それ以上に目をひいたのは屏風という、美術館でみることが多くなってしまったひとつの記号が外にとび出しているだけで、独り立ちしていたように見えたことである。美術の制度からほんの少し、離れているかのようだ。

2012年 8月 03日(金) 22時53分51秒
壬辰の年(閏年) 葉月 三日 丙申の日
亥の刻 四つ

揺れる葉

2011年の夏の日、京都のMの部屋から撮影した揺れる葉。カメラ・オブ・スキュラとの比較のために。