パネル2の仕掛けについて

表象文化論学会の第7回大会のパネル2「結晶化する物質──切り貼りにおける時間と固有性」のように、学会の大会では1つのパネルを組んで、司会を1人(コメンテーターを兼ねることは可)、3人が発表する構成にすることが定められている。それでパネル2を構成したわたしは、以下のようにダイアグラムを小松さんと田口さんとつくりあげた。ここではそれを記録しておきたい。

まず、パネル2が採用されたときに三人で顔合わせをしたいところだったが、わたしが関東、おふたりが関西にいるためにSkypeでそれぞれの研究構想をみっちりと話し合っていた。そのとき、わたしがSkypeで二人の話を咀嚼しながらメモしていたのが下のものになった。
これがもっとも初期のスケッチ。

わたしは、まずパネル2の大きな枠組をどうやって示すかということを考えて作っていたわけだけれども、わたしが「スクラップブックの歴史」(これは時間の関係でダイアグラム上でしか示せなかったが・・・)、金子静枝の事柄など。そして小松さんはアルチンボルドの名前、パスクィーノのことなど。田口さんはバーネット・ニューマンとヴァンダリズムに関して。ここではすでにコアになるものが見えているが、周辺はみえていない。まずは全体の構図を試みるために紙を1/3ずつにして一番左に時代軸を設置する。

これをもとに6月中旬から下旬にかけてパソコン上で作業した。初めてできたのがダイアグラム(ファースト)。ここではまだ項目の数は少ないが項目数よりも全体の配置をきちっと決定するのが狙い。使ったソフトは、Omni graffleです。

ダイアグラム(セカンド)では、それぞれの発表内容が煮詰まってゆくにつれて、ダイアグラムを更新させていくことを意識した。ちなみに直線で囲まれているものが発表で言及されるもの、点線で囲まれている項目は発表で言及しないもの(関連事項)というのをだいたい固めてゆく。

ダイアグラム(サード)では、ラインをどんどんつくって、項目と項目をつないでゆく。そうすることによって動きがみえるようにすることを意識した。

ダイアグラム(フォース)ここにくるとほぼ完成されてきているが、三人の発表者は内容を丁寧にねっているところなので、変動軸があり、まだまだ動かしてゆく。

ダイアグラム(フィフス)、これが最終ヴァージョン。フォントを調整し、すべての項目が揃う。しかもそれぞれの発表内容について緩やかな関係もみえる(かもしれない)。

こんなふうに取り組んでいきました。こういう作業は建築を学んでいたわたしにとっては日常的なことではあったけれど、まったく異なる発表内容でダイアグラムを構成してくことは初めてだったので、大変勉強になった。

小松さん、田口さんに感謝申し上げます。お二人の作業がなければこのダイアグラムは成立しなかった。

2012年 7月 12日(木) 00時09分53秒
壬辰の年(閏年) 文月 十二日 甲戌の日
子の刻 三つ

 


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