20220109

1月9日。日曜日。曇と晴が混じるはっきりしない天気、食パンを焼く。焼いたものをさらにオーブンで焼いてカリリとしたものを少しだけ砂糖を足したカフェオレに漬けて食べる。表面はしみこんでいるが、奥の方はしみこまずに硬さが残っている。歯でパンを切り裂いた時に伝わってくる硬軟の感覚に、カフェオレがパンの中から出て行こうとする動き。それは、ぐっと何かを握りしめたときの反動とともに出て行こうとするものを口の中で捉えるということだ。それは本を読んでいたり、美術館で作品を見ている、映画を見ている時は、いずれも目の前の現象に集中しているわけだが、何かひとつの考えや視点が定まっていく際にジュッと押しのけられて出て行く思考がある。つまり、ある思考がまとまっていくなかで捨てられていく過程があるのだけど、ほんとうはそこで押しのけられて出ていったものを受けとめる皿というものがあるからだろう。打ち捨てておいてもいいかもしれないが、それがあったということを記録することは意識したい。パンをかみしめて飲み込むまでのあいだにそう考えていた。


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