20220131

1月31日。月曜日は平日というよりも、「ザ・平日」のようだ。起床してコーヒーにトースト。その合間に冷凍庫からご飯を取り出してレンジの「解凍」「温め」がセットになっているようなモードであつあつにしたのを元に弁当をつくる。それが済んだら身だしなみを整えて外へかけだす。これが基本的なことなのだが、今朝はマフラーが見当たらない。まあいいやとピーコートの襟を立ててまだ寒い道を歩いていったのだけれど、電車の中で読書するためにリュックを開けるとそれが入っていた。こんなところにいたのか。それを首に巻きなおした瞬間、冬の日常が羽音を立ててやってきた気がする。
授業でジョン・ヴァーリイ『残像』について検討することもあり、再読をする。ケラーなるコミューンを訪問する男の話だが、このケラーというのはヘレン・ケラーから来ているのだろう。1978年に書かれたのだからヘレンの没後になるわけだが、これを読むと濃厚にヘレンの香りがしてくるのだ。たとえば『残像』では線路の両脇にある柵に手をあてながら機関車を動かしているシーンがある。一方で、ヘレンは柵を手がかりに毎朝の散歩をする映像と照応できる。こうした、ヘレンの事業がこの小説の随所に散りばめられているように思う。


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