20220211

2月11日。雪も解けており、陽射しの良い休日、本を抱えて外出する。電車に揺られながら北村紗衣 『批評の教室』を読む。新書なのでページをめくるのもはやい。府中市に着いて、府中市美術館にて「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」をみた。池内さんの作品はDOMANI・明日展(国立新美術館)や新・今日の作家展(横浜市民ギャラリー)などで見たことがあるけれど、個展は初めてみたのではないかと思う。わたしが動くたびに糸が見えて、風景が姿をあらわす。《Knotted Thread–red-east-west-catenary-h360cm》という作品がとりわけすばらしい。張力と重力が形となった作品が成立している。リーフレットにはそのサンプルとなる糸も貼られている。展示室で流れている動画には池内さんが糸を操る/巻く行為が記録されていて、その行いもまた作品の形として残存している。常設展で宇佐美圭司を見る、逆になった円錐の上を動くあの宇佐美独特の身体のシルエットが暴力というものを攪拌しているように思った。帰り、電車の中にサングラスにおかっぱ、黒いマスク、黒いコートの男性。ずっとメモを片手にスマホで何かを入力していた。お洒落なピンクのプリーツパンツを履いた女性。


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