20260216

Posted on 2026/02/16

昨日書いた、皮を脱がした里芋は味噌汁になった。

冬は朝起きるのが億劫なのに寒さが甘ったるいのか、目覚めたときのあの冬の寒さが薄らいでいて、最近はすんなりと起きられる。天気予報アプリでは平年と変わらないようだが。

のそっと起き出していつものように青森の知人からいただいた富士山の形をした陶製のカップに水を半分くらい飲む。着替えて顔を洗って体を整える。カーテンを開けて今日の天気の予感をたしかめたあと、挽いたコーヒーをドリッパーで平らにして、お湯を少しずつ足していく。ステンレスのカップに入ったそれを手に窓辺に。カーテンの開いた窓からは、なだらかな丘の上に戸建てやアパートがあちこちを向いている。そんな景色が気に入ってこの家に住むことにしたのだった。建物たちの群れに木が押し入ろうと幹をくねらせているさまがみえる。ときどきヘリコプターや鳥が空を行き交うこともある。ダンデムローターが飛んでいることもあるから自衛隊だろう。カラスがゴミ捨て場から引っ張ってきたのだろう、パンを咥えて軽やかに家の屋根をスキップしているのもよく見かける。彼らにとっては、ご飯をいただくセーフティな場所に違いない。そんな窓脇での出来事だ。

コーヒーの少なくなったステンレスのカップを揺らす。琥珀色の波がステンレスのなかをまどろう。葉山の海を歩いたときになんでもない波打ち際の夏が去来する。そこには誰かと歩いたこともあったし、一人で歩いたこともあった。遠いあの時間がさざなみの上にのっている。手を大きく動かしてカップの壁にぶつけるようにコーヒーを燻らせる。なんのために海に行ったのだったか。何かの展覧会を見たついでに海辺を歩いたのだろう。何を話し合ったかも覚えていないが、ただ、その人が海の向こう側を見つめている背中を今もはっきりと覚えている。コーヒーの波打ち際の動きがわたしの記憶を打ちすえていた。

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