東博めぐり
Posted on 2012/09/26

「腊葉(さくよう)」(1冊 江戸時代・18世紀)
木の葉をはりつけているもの。スクラップブックではないけれども、このようなランダムに近い配置は本草学としてのものよりも、もっと自由になろうという気持ちがみえるようにも思う。

「七宝古画貼付屏風」(涛川惣助作 明治23年(1890) 涛川惣助氏遺族寄贈)
明治23年の第三回 内国勧業博覧会に出品され、第二等妙技賞を受けたもの。これはちょっと興奮した。この博覧会について調べたことがあって、どのように展示されていたのか気になっていたのだけど、結構でかいんだな。二双一曲の屏風だけれど、そのうちの片方が寄贈されている。

「祖師図(香厳撃竹)」(1幅 伝狩野元信筆 室町時代・16世紀)
大仙院旧蔵の掛軸。大仙院の衣鉢の間に障壁画としてあったものを軸にしたものだという。包み込まれるようなサイズでこの間の広さが伺える感じ。大きさよりもなんといっても雲と岩といった対照的なもののかきわけ方が明瞭だと感じる。以下、部分拡大。


「荼吉尼天像(だきにてんぞう)」(1幅 室町時代・16世紀)
あまり見かけることのない軸だとおもう。
説明によれば、この荼吉尼天はヒンドゥー教の女神に由来し、鬼神の一種だという。人の死を半年前に知り、その心臓を食べる。中世以降、人の死を知り、精気を奪う「狐」と結びついて稲荷権現と同一視されるようになったということが書かれている。
たしかに荼吉尼天が載っている動物は狐のようだけれど、真正面を向いている例は珍しいな。普賢菩薩が象に乗っている軸でこのような真正面を向くのはあっただろうか。

最後はやはり、ジョサイア・コンドルによる上野博物館のパース!
これは東博の前身となった建物の全景だけれど、すごく雰囲気がわかる。関東大震災で玄関部分などが大きなダメージを受けたために建て替えしたのだけれども、渡辺仁によるいまの博物館もまたこのコンドルのイメージを受け継いでいると思う。
こんばんは。「腊葉」についての「もっと自由になろうという気持ちがみえる」というお言葉を拝見して、dOCUMENTA (13)の会場のひとつ、Ottoneumで見た”Xylotheque”を思い出しました(こちらも、スクラップブックではございませんが)。
画像:
http://www.naturkundemuseum-kassel.de/museum/was-gibts-neues/sammlungen-neu.php
構造:
http://www.naturkundemuseum-kassel.de/museum/wissenswert/holzbuch/index.php
ひとつ、ひとつの樹木の生涯が、美しい造形をもって収められていました。
ご無沙汰しております。台風の一日ですね。
ドクメンタ13に行かれたのですね!”Xylotheque”はなにか図書館のようなディスプレイ(?)になっていて、それぞれが本のようになっているとか。気になりつつもドイツにいったことがないので気になったままでした。
スクラップブックは「ブック」ですけれども、「スクラップ」必要なものを集めディスプレイしてゆくところは共通する点があるんじゃないかなと思います。
お返事ありがとうございます。旅行の経験がほとんどなかったにもかかわらず、「ドクメンタを観たい!」という勢いだけで、単身カッセルへと行ってまいりました。興味深い作品と、たくさん出会うことができました。
各国に様々な形の”Xylotheque”があるようですが、現地の博物館では2m程の高さの六角柱の本棚(Mark Dion制作)に、博物館のコレクション(Carl Schildbach制作)がディスプレイされていました。ご指摘のとおり、スクラップブックに共通する要素を感じました。
外側:
http://www.naturkundemuseum-kassel.de/museum/was-gibts-neues/jetzt-neu.php
内側:
http://www.naturkundemuseum-kassel.de/museum/dauerausstellung/sammlungsgeschichte/holzbibliothek-mehr-bilder.php
ドイツへ行かれる機会がございましたら、ぜひご覧になってみてください。
早くも次の台風が近づいているようですね。引き続きお気をつけてお過ごしください。
追伸(ドイツ語関連):
旧サイト名の一部”KNST”から、勝手ながら”Kunst”を連想し、素敵な偶然だなぁ、と思っておりました。
返信が遅くなってしまいました。
ドクメンタはTwitterでの友人も訪問しており、気になっておりました。いつか必ず訪れるでしょう。
KNSTってクンストにちょっと似てるよね。本名を短くしたイメージなんですけれども。