あるスクラップブックを調査したとき、ミロのヴィーナスに関する記事が切り貼りされていた。書き込みから日付は明治28年9月25日と思われる。なんの新聞・雑誌かはわからないが、ルビがふられていることから、いわゆる小新聞といわれる類の新聞に掲載されたものだろうと思われる。大きなサイズはこちらをどうぞ。
あいにく、わたしはミロのヴィーナスがどのように研究されたのかは具体的には知らないが、明治に紹介されていてもまったく不思議ではない。でも、ミロのヴィーナスをめぐる手の再現の問題やさらに周辺にある類似作もまとめて11の彫刻が明治時代にすでに比較参照して紹介された記事を目にするとは思わず、面白く読んだ。
“Venus Medeci”はウフィツィかとおもったけど、ウィーンなど各地にもあるのか。まあ、ローマン・コピーだしね。「フオンラーベルグ」とは、フルトヴェングラーのことなんだろうか。あと、盾を持っているヴァージョンははじめて見たな・・・。ヴァティカンの髪をもっているものなど、木版がけっこういい感じだね(このとき、まだ写真の技術はあっても、それを印刷する技術はまだ確立していなかった)
ここで一番おもしろいのは、もっとも知名度の高いはずルーヴルのものが真っ先に紹介されていないことにあるとおもう。最下段の12図がそれになっている。
書誌情報をご存知の方はご一報頂けると幸甚です。
2012年 12月 02日(日) 20時14分51秒
壬辰の年(閏年) 師走 二日 丁酉の日
戌の刻 三つ
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