今日は愛知県犬山市にある明治村へ。
明治村は、建築家・谷口吉郎と名古屋鉄道・土川元夫が1961年にスタートさせた事業で、背景には明治文化を維持することにあるという。1965年にオープンし、現在にいたっている。初代館長が谷口だった。
約100万平方メートルに明治時代の建築を中心を展示しており、とくに、1963年に西郷従道の邸宅を移築したのをはじめとし、近代建築を学ぶものにとっては必ず訪れなければいけないところになっている。日曜日に訪問したが、親子、若者、カップルと多様な雰囲気。混雑している様子はまるでない。ゆっくりみてまわることができる。
どの建築も一見の価値があるけれども、絶対に外せないのは帝国ホテルではないか。フランク・ロイド・ライトによる日本唯一の建築。そういうわけで、明治村は近代に関心のある人なら訪れる価値のあるところだ。そこで、明治村についてメモをしておきたい。
まず、アクセスについて。
明治村のある愛知県犬山市は名古屋の北にある。名鉄の特急で行くと20分前後(それ以外だと1時間)でつくので、特急だと便利。特急券も指定席は350円と高くないので特急をおすすめする。犬山駅についたら、改札口を出ると「バスターミナル」の看板がみえるので、その方向(右)にすすみ、明治村行きのバスに乗る。本数はとても少ないので、サイトを確認することだ。
また、名古屋駅から明治村までの高速バスが出ているので、それを利用するのもよい。しかしこれは本数が少ないので注意が必要になる。関東でいえば、佐倉市にある川村美術館に行くイメージといえるかもしれない。
わたしは行きは名鉄、帰りは名古屋駅直通の高速バスを利用してみたが、便利だった。
次に、明治村につくと正門があり、大人で1600円。わたしは障害者手帳を出したので半額の800円になった。こうしてチケットをもらうわけだが、この広大な土地をどう歩いたらよいだろうか。効率よく回れるコースとはどういうコースか。実際に歩き回りながら考えてみたので、メモしておきたい。
携帯はしっかりつながった。ソフトバンクのiPhone。
1、明治村は1〜5丁目のエリアがある。土地は南北に細長く、南から一丁目となっている。
2、明治村にある建築はどれも自由に出入りできるのではなく、ガイドがないと中に入れない建築が存在している。これは注意だ。つまり、建築に入れる時間が決まっていて、それがガイドツアーの開始時刻と合致している。なので、見たい建築があるときはその建築がガイドありなのか、なしなのかを確認しておかなければいけない。
それはここで説明されているが、「建物ガイド(無料)」というところ。対象となっている建築は
8番地 西郷從道邸(1丁目)
18番地 東松家住宅(2丁目)
49番地 呉服座(4丁目)
65番地 高田小熊写真館(5丁目)
68番地 芝川又右衛門邸(3丁目)
である。丁目をみればわかるように、あちこちに散らばっている。時間は現在のところ、11時台、13時台、14時台なので、午前中に明治村を訪問しておかないと出入りができないかもしれない。でも、西郷從道邸ではガイド時間以外でも案内してくれていたので、スタッフの裁量も大きいのだろう。
3、ルートとしては、必見の帝国ホテルは北部の5丁目の端にあるので、最初は帝国ホテルをめざしつつ進み、そこから左まわりにいくか、あるいは西郷従道邸を目標に右回りのコースをとるか。
4、時間があえば、村のなかを走っているバスと鉄道を利用して、一気に北に向かってそこから南下していくコースも可能かもしれない。
ところで、わたしが明治村を訪問した理由は、東京盲学校の車寄せが移築されているからだ(写真)。京都盲唖院と東京盲唖学校。その盲唖学校が盲学校になっても建物は盲唖学校の建物が使われていた。目の当たりにすると、たしかに学校がそこに存在していたというリアリティーがまずあった。この車寄せは、古写真をみると残っていて、例えば小西信八を囲んだ卒業写真など。「ああ、小西はこの建築をみていたのか・・・・」とこみあげるものがあったが、もちろん小西の幻はみえない。わたしの感受性が低いのかもしれないけれども。
犬山市には日本モンキーパークとリトルワールドもあるけど、これも土川元夫が関わっているもの。名鉄と犬山市。原武史さんの『滝山コミューン一九七四』ともからめて話すことができるかもしれない。
2012年 12月 16日(日) 23時56分44秒
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