ポリツィアーノとボッティチェッリ

Posted on 2012/06/06

PolizianoPoliziano “Stanze per la giostra di Giuliano de’Medici”
(Firenze, Antonio Tubini, lorenzo d’Alopa, Andrea Ghirlandi, c.1500)

いま、集中している研究があり、そのなかで少し気になることがあったので、アビ・ヴァールブルク『サンドロ・ボッティチェッリの“ウェヌスの誕生”と“春”―イタリア初期ルネサンスにおける古代表象に関する研究』を読み始める。原書は1932年、ライプツィヒで出版されたもの。わたしにとってヴァールブルクの出会いはだいぶ前で『蛇儀礼』が最初の読書だった。
さて、この本を手にしたのでメモをとっておきたい。
アンジェロ・ポリツィアーノ(1454-1494)の詩『ジュリアーノ・デ・メディチの馬上槍試合のためのスタンツェ(Stanze per la giostra di Giuliano de’Medici)』にある「ウェルヌの誕生」がボッティチェッリ(1444/45?-1510)の絵画《ウェルヌの誕生》(1485、ウフィツィ)に似ていると述べるところから話がはじまるという、絵画と詩の照応関係が気になったからだ。ヴァールブルクはポリツィアーノとボッティチェッリの関係を「助言者と受けるもの」としている。
具体的にはこれから読み進めていく。ここで意識しておきたいのは絵画と詩の関係、もっと広くいえば、「身体のイメージとテクスト」の関係をどう捉えるべきなのかということをよく考えなければならないということだ。ここで少し気をつけておきたいが、ダンテの『神曲』(1481)におけるボッティチェッリの挿絵とダンテの詩という意味ではなくて、「肉体についてくる言葉」について考えないということ。たとえば、テクストに対して肖像画が作られる。肖像画に対してテクストが添えられるといった具合。そして、それはどのような形式が採用されたか。バラバラだったのか、合体していたのかという接着の度合い。日本においていえば、肖像画と賛がそうだよね。このふたつは同じ画のなかにある。たとえば、雪村(生没年不詳)の自画像がそれにあたる(この画は中世の日本の心性を考えるうえですごく重要なはず)。雪村の生没年ははっきりしていないけれど、室町末期とされる。

雪村周継,自画像 自賛(重要文化財,大和文華館所蔵,16世紀末)

このような、絵画とテクストの相関性は学生時代のわたしに指導してくださった、木下長宏先生がとりわけ注意なさっていたところでわたしも心のなかで留めてきたことでもあった。そうしていくうちに西洋/日本美術史においていくつか重要な文献を思い出す。その一冊がこのヴァールブルクによるボッティチェッリの本だったので手にとる。

このようなひとつのテーマについてどう理解していくべきか・・・。わたしの脳裏に、本やイメージによる「星図」が描かれようとしているところだ。自分でいうのも変な話だけれど、思考していくなかで、この作業が自分のなかで重要だと考えている。

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